Nikon ED82
by デジスコドットコム主任研究員 冨田
(最終更新:2006/1/14)


COOLPIX SシリーズとデジタルカメラアダプターFSB-5

ニコンビジョンからCOOLPIX Sシリーズ用のコンパクトデジタルカメラブラケットFSB-5が9/29に発売されました。
対応しているSシリーズはS1,S3,S5,S6,S7,S7c,S8です。

FSB-5の発売に先立って旧型になった600万画素、屈折光学系3倍ズームのスタイリッシュ&スリムが売りのNikon COOLPIX S5を入手しましたが、11月に3.0型TFT液晶モニタのCOOLPIX S6に乗り換えました。
現時点では710万画素になったCOOLPIX S8、液晶モニタを3.0型、23万画素にサイズアップした同 S7、無線通信機能を付加した同 S7cの3台がラインナップされています。


その特徴を挙げてみると・・・

[長所]

 ・電源OFFでも直前の設定を保持している。
   → 連写、露出補正、AF方式などの諸設定を電源オフでも記憶しています。
      フルオートのデジタルカメラの多くは初心者対策として電源オフで各種設定を初期化するものが多いのです。
      特筆すべきはメニューで、前回操作した項目まで記憶している点は珍しいです。
      例えば、前回、露出補正でMENUから抜けていた場合、電源オンでMENUボタンを押すと、上の写真のようにカーソルが露出補正の位置に来ています。

 ・フリーAFを搭載
   → AF方式をフリーAFにしておくと、「OK」ボタンで位置選択に入り、99ポイントから任意の位置を指定できます。
      上下はロータリーマルチセレクターの上下をクリック、左右はホイールの回転で移動させます。
      よい点はAF位置選択状態のままでも撮影できる点です。位置を合わせたら即、撮影に入れるのは便利です。
      なお、電源投入時はAF位置は毎回中央に戻るので、いちいちボタンを押して直さなくても、電源を一旦オフにするだけで戻すことができるのです。


移動中でも撮影可能


 ・広視野角2.5型TFT液晶モニタ、約23万画素(S5,S8)、3.0型TFT液晶モニタ、約23万画素(S6,S7,S7c)
   → 広視野角2.5型TFT液晶モニタ、約23万画素(52mm×38mm)は撮影時のスルー画像も精細でピントの山がわかりやすいです。
      S6,S7,S7cは一回り大きな広視野角3.0型TFT液晶モニタ、約23万画素(62mm×46mmmm)。一度店頭でご覧ください、きっと欲しくなりますよ。



 ・電子式手ブレ補正(S8,S7)
   → デジスコの場合は効果は期待できないが、日常使用ではあると便利な機能です。

[短所]

 ・電池の持ちがイマイチ(約210コマ)
   → FSB-5が構造的に電池交換の際にはカメラを外す必要があるので、不便に感じると思います。
      カタログスペックでは約210コマですが、デジスコではストロボを使わないので、実際にはこの倍近くの枚数を撮影できる場合もあります。
      バッテリーは安価な互換品も市販されています。私はたまたま手持ちのP1とバッテリーが共通で追加購入の必要がありませんでした。

 ・露出補正がメニュー内にある
   → 前述のとおり、メニューも最後に操作した項目を覚えているので、「メニュー」→「OK」→「上下」で補正に入れるのでストレスは少ないです。
      他のメニュー内にある機種だと「メニュー」→クリック数回→「露出補正」→「OK」→「上下」という操作になります。この操作性の差は大きいです。
      なお、抜ける時は「OK」→「メニュー」を押します。慣れないとメニューボタンを押すところをまた「OK」を押してしまいイラつくことがあります。


MENUボタンで露出補正へ

OKの後、上下で選択→OK→MENUで撮影状態に戻る

 ・撮影情報が表示できない
   →シャッター速度、露出値が撮影時、再生時ともに確認できない。フルオートゆえ割り切りが必要です。
     ちなみに2.2コマ/秒の連写モードにしておいた場合、連写速度の低下で著しいスローシャッターかどうかは体感でわかります。

シャッター速度、絞り値は確認できない

短所はありますが、実用上は致命的なものではないと思えました。いえ、むしろ操作性が気に入ってしまったので、S5の購入に踏み切った次第です。
ちなみに在庫処分のためか某カメラ量販店で22,800円でした。


FSB-5を入手するまで、最初に適当なリングに両面テープで貼り付けて実験してみました。(08/30)
広角端ではケラレがあるものの、そこそこ使えそうな感触を持ちました。
 

次に、MDF(中質繊維板)を材料にアダプターを自作しました。(09/03)
TurboAdapter 19/28XWDAに最適化して製作しましたが、広角端でのケラレは消せませんでした。しかし、このケラレはFSB-5でも同様に発生することからデジタルカメラの個体差の可能性が高いです・・・ってことはこのS5はハズレ!?
いずれにせよこのアダプターはカプラー、固定ネジ込みでわずか75g!S5との組み合わせで235g、FSB-5が単体で235gと同じ重量に収まりました。ほぼS5の重量分を軽量化できています。
しかし、S6に乗り換えてしまったのでお蔵入りです。

 

そして、発売日に「でじすこや」さんでデジタルカメラアダプターFSB-5を入手しました。
 

 

 

背面には遮光のためのゴムのひだがついています。
左下の突起を回すことで使用するカメラの横幅を調整します。(1:S6,S7,S7c、3:S5,S8、4:S1,S3)
中央のネジがカメラ固定ネジ、右下はカメラ取り付け座の固定ネジ。電池やメモリカードを交換する場合はカメラを外す必要があります。
また、側面のひだはS6,S7cの幅に合わせているので、S5,S8では隙間が出来てしまいます。

 
アダプター自身は235gとちょっと重め、S5を装着した状態で390gです。


気になるアイピースとの相性を調べてみました → テストチャート


ED50とTurboAdapter 13/20XWFAはケラレが大きくて相性がいまひとつ。お勧めできません。
お勧めはTurboAdapter 19/28XWDAです。今回は試していませんがニコン16/24XWDS、27/40XWDSも倍率的には使いやすそうです。

なお、ニコン16/24XWDS、TurboAdapter 20/30XWFAはクリアランス調整用のブラケットリングFSBR-5を使用します。
TurboAdapter 20/30XWFAはネジのはまる凹溝の幅が狭く、固定ネジが溝にはまりません。このため、ちょっとショックを与えると簡単に外れてしまいますので要注意!お勧めできません。ちょっとケラレが増えますがFSBR-5を使用しないほうがいいでしょう。
その点、ニコン16/24XWDSは凹溝の幅が広いため外れる心配はありません。初心者が最初に購入するならこのアイピースをお勧めします。


もちろん、FSB-5は各種TurboAdapterでも使用可能です。
ここではビクセンジオマシリーズ用GLH20WIDEとTurboAdapter G1の組み合わせを試してみました。
  → テストチャート


FSB-5はこれまでのFSB-1などのアダプターと比べると「大きく、重い」というイメージがあります。確かに正面から見ると一回り以上大きく、100g程度重いのは事実ですが、その大きさはCDケースと同等です。
重量、厚さを考えると、携帯型CDプレーヤーとCDを何枚か携帯するのと同等?でしょうか。厚み自体は約4cm、ほぼ四角い箱状なので、カバンやコートのポケットに収納する際も、意外にかさばりません。
この点はFSB-5の長所と思います。


 

上の写真でもわかりますが、FSB-5は汎用性を持たせるため遮光用ゴムが一番大きいS6,S7cの横幅に合わせてあります。
このためS5,S7,S8では隙間が生じ、後方からの光が光学系に差し込む可能性があります。
対策として、遮光用ゴムに厚さ0.5mmのゴムシートを貼ってみました。


FSB-5とCOOLPIX Sシリーズの組み合わせはフルオートであること、屈折光学系のレンズシステムの暗さなど、作品を追求するシステムではないかもしれません。
しかし、普段も気軽に持ち歩けるスタイリッシュでスリムなデジタルカメラがそのまま使えるという点はこれまでになかった製品だと思います。


私がお勧めするシステムは以下のとおりです。

基本入門仕様
 ・ニコンED-V
 ・ニコン24XWDS
 ・ニコンFSB-5
 ・ニコンCOOLPIX S5、またはS8。予算が許せばS7
 ・三脚+雲台:ベルボンSherpa 538(FHD-51Q付き、アルミ製)、予算が許せばEl Carmagne 538(FHD-51Q付き、カーボン製) + ロングプレート

軽量モバイル志向
 ・ニコンED50
 ・ニコン16/24XWDS(常用)、または27/40XWDS(アップ用)
 ・ニコンFSB-5
 ・ニコンCOOLPIX S5、またはS8。予算が許せばS7
 ・雲台:ベルボンFHD-41Q+ロングプレート
 ・三脚:ベルボンULTRA LUX iF

とにかく安く!志向
 ・ビクセン ジオマ52S(ノーマルレンズ)
 ・ビクセン GLH20WIDE
 ・デジスコドットコム TurboAdapter G1
 ・ニコンFSB-5
 ・ニコンCOOLPIX S5(在庫限りを狙え!)
 ・雲台:ベルボンFHD-41Q+ロングプレート
 ・三脚:ベルボンULTRA LUX iF

静止画サンプル

公開日 タイトル 撮影対象 機材
06/08/30 実験・Coolpix S5 庭の花々 ニコンED50+Turbo Adapter19/28XWDA+CoolPix S5
(両面テープで直付け)
06/09/02 カワセミ/S5 カワセミ ニコンED82+Turbo Adapter28/35XWDA+CoolPix S5
(両面テープで直付け)
コサギ/S5 コサギ
06/09/09 COOLPIX S5試写 キビタキ、メジロ、ヒヨドリ他 ニコンED82+Turbo Adapter28/35XWDA+CoolPix S5
(自作アダプター)
06/09/13 エナガ エナガ
06/09/20 ED82を返却 キビタキ
06/09/22 ちょっと前ピン? メジロ
06/09/23 エゾビタキ エゾビタキ コーワTSN604+Turbo Adapter28/35XWDA+CoolPix S5
(自作アダプター)
06/10/02 FSB-5(作例-1) カワセミ ニコンED50+Turbo Adapter19/28XWDA+COOLPIX S5
(FSB-5)
06/10/03 FSB-5(作例-2) キセキレイ
06/10/04 FSB-5(作例-3) アオサギ
06/10/08 風に揺られて カワセミ若 コーワTSN-604+Turbo Adapter28XWDA+COOLPIX S5
(FSB-5)
引けない・・・ ダイサギ、アオサギ
06/10/09 COOLPIX S5のホワイトバランス-1 日陰のカワセミ若 コーワTSN-4N+Turbo Adapter28XWDA+COOLPIX S5
(FSB-5)
COOLPIX S5のホワイトバランス-2 日向のカワセミ若
06/10/10 獲物をキャッチ! コサギ
06/10/28 久々のモバスコ カワセミ ニコンED50+Turbo Adapter19/28XWDA+COOLPIX S5
(FSB-5)
06/10/29 モズ モズ
06/11/04 エクリプス コガモのエクリプス コーワTSN-604+TSE-14W+TurboAdapter P1+COOLPIX S5
(FSB-5)
モズの高鳴き モズ
デジスコでも引きがポイント カワセミ
06/11/06 さらに引きましょう カワセミ
06/11/26 タゲリ タゲリ コーワTSN-604+TSE-14W+TurboAdapter P1+ニコンCOOLPIX S6
(FSB-5)
ツグミ ツグミも今季初撮影でした
カワセミ若♀ 人工物ですが自然の中のカワセミは和みます
06/12/02 100m先のヤマセミ 久しぶりのヤマセミ コーワTSN-604+Turbo Adapter28XWDA+ニコンCOOLPIX S6
(FSB-5)
07/01/08 初アップ 陰に隠れたカワセミを上方からクローズアップ
ファーストショット 今年のファーストショットはカワセミでした
※作例をニコンオンラインアルバムで公開しています(1024×768ピクセル)


アイピース画角比較


Turbo Adapter 13/20XWFA

Turbo Adapter 19/28XWDA

Turbo Adapter 20/30XWFA

Nikon 40/60XWDS
[ 注意 ]
光軸ずれが大きい点はデジタルカメラの個体差の可能性もあるので、その点を考慮してご覧ください。
作例を見た限り、広角端でのケラレ量が左右で異なること、ズームすると中心位置がずれていくという2点の問題があります。
しかし、実用上はあまり問題にはなりません。もちろん、デジタルカメラ単体での使用では問題ありません。


ニコンED50+Turbo Adapter13/20XWFA:広角側のケラレ大、アダプターリングFSBR-5必要

5.8mm F3.0 1/41sec

7.7mm F3.5 1/37sec

8.8mm F3.7 1/34sec

10.1mm F4.0 1/30sec

12.2mm F4.4 1/28sec

14.3mm F4.8 1/20sec

17.4mm F5.4 1/16sec

ニコンED50+Turbo Adapter19/28XWDA:広角端でケラレあり

5.8mm F3.0 1/52sec

7.7mm F3.5 1/36sec

8.8mm F3.7 1/29sec

10.1mm F4.0 1/24sec

12.2mm F4.4 1/18sec

14.3mm F4.8 1/15sec

17.4mm F5.4 1/11sec

ニコンED50+Turbo Adapter20/30XWFA:広角端でケラレ、アダプターリングFSBR-5必要

5.8mm F3.0 1/58sec

7.7mm F3.5 1/41sec

8.8.mm F3.7 1/31sec

10.1mm F4.0 1/25sec

12.2mm F4.4 1/20sec

14.3mm F4.8 1/14sec

17.4mm F5.4 1/10sec

ニコンED50+ニコン40/60XWDS:ケラレなし

5.8mm F3.0 1/19sec

7.7mm F3.5 1/12sec

8.8mm F3.7 1/9sec

10.1mm F4.0 1/7sec

12.2mm F4.4 1/5sec

14.3mm F4.8 1/3sec

17.4mm F5.4 1/2sec



ビクセンGEOMA 65-S改+GLH20WIDE+TurboAdapterG1
※上記テストとは撮影条件が異なります

5.8mm F3.0

7.7mm F3.5

8.8mm F3.7

10.1mm F4.0

12.2mm F4.4

14.3mm F4.8

17.4mm F5.4

ビクセンGEOMA 52-S+GLH20WIDE+TurboAdapterG1

65Sは広角端でケラレが残りますが1段ズームすればケラレは消えます。
7.7mmF3.5〜12.2mmF4.4の範囲では中心の解像度はまずまず。糸巻きひずみがちょっと気になるかな?

52Sではケラレが増え、1段ズームしても周辺減光が残りました。2段目でも少し残っています。
空抜けの構図では気になるかもしれませんが、背景に木々などがないる様な場合であれば気にならないと思います。